Publish date: 2024-07-13

2017年6月30日

ドナルド・トランプ大統領による、中東・アフリカのイスラム圏6カ国の国民入国などを禁じる大統領令が米東部時間29日午後8時(日本時間30日午前9時)、運用開始となった。条件付き執行を認める連邦最高裁判断を受けての措置で、難民受け入れも中止された。最高裁は10月に大統領令について最終判断を下す方針。

トランプ政権の大統領令は、ムスリム(イスラム教徒)の国民が大半を占めるイラン、リビア、ソマリア、スーダン、シリア、イエメン6カ国からの入国を90日間禁止するほか、難民受け入れを120日間禁止するもの。

連邦最高裁の判断は、「実務上、(大統領令は)米国内の人物や団体と真正の関係があると正当に主張できる外国人に対しては執行できない」ものの、「それ以外の全ての外国人は(大統領令の)項目の対象となる」と書いている。

これは逆に、米国内にいる人物や団体と「真正の関係があると正当に主張できる」人には、対象6カ国の国民でも入国が認められる可能性があることになる。つまり、米国内に配偶者や親、子供、兄弟姉妹がすでにいる人は、入国が認められる可能性がある。

トランプ政権は執行直前に、「真正の関係」の対象に、婚約者も含めて対象を拡大した。その一方で、祖父母やおじ、おば、姪、甥は「真正の関係」とは認められない。

大統領令の運用開始直前には、執行停止の訴えを起こしたハワイ州が、連邦裁判所に適用条件の明示を求めていた。

ハワイ州司法長官は、「近親者」の定義が狭すぎて、米国への渡航を不当に制限する恐れがあると懸念を示した。

米自由人権協会(ACLU)は、大統領令の運用状況を注視していくと表明した。

国土安全保障省の当局者は、各地の空港など入国地点の「準備態勢は整っている」ため、「通常業務」になるだろうと話した。

移民専門の弁護士や活動家たちは、主要空港で待機し、有効な査証(ビザ)のある渡航者が適切に入国できるよう支援する方針を示した。

誰が入れて誰が入れないのか

修正大統領令の下、米国内に近親者のいない対象6カ国の人は、今後90日間は入国できなくなる。

入国可――親、配偶者、婚約者、子供、義理の子供、兄弟姉妹(異母・異父・義理のきょうだいも含む)。

入国不可――祖父母、おじ、おば、姪、甥、義理の両親、孫、遠縁。

米国内に事業や教育上の関係がある人も、命令の適用が除外され、入国が認められる。ただし大統領令は、この関係は正式で公式に登録されたものでなくてはならず、大統領令の適用回避のための便宜的なものであってはならないと明記している。

すでに有効なビザのある人は影響を受けない。二重国籍でも対象外の国の旅券を持つ人も入国が認められる。

最高裁はさらに、難民受け入れの120日間中止についても執行を認めた。同様に米国内に真正の関係のない難民申請者は、入国できない。

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